第1日目(9月22日)


第1日目は、
  POV−RAYの使い方を中心に解説する。
今日の予定


1.POV−RAYの特徴の理解

POV-Rayとは
(On-Line Help の"What is POV-Ray"の訳を中心に)


POV-RAYとは,3次元空間中に,「対象物」,「光源」,「カメラ」ながどのように配置されているかを記述したファイルをーこれをシーンファイルというー作成し,それを読み込ませることにより,RayTraceing(レィトレーシング,日本語では,光線追跡法)と呼ばれる手法を用いて,配置したカメラで写した写真と同じ画像(イメージ)を作り出すシステムである.
まず,一例を示そう.左がシーンファイルであり,右はイメージである.

#include "colors.inc"
#include "woods.inc"
#include "stones.inc"
camera {
 location <0, 3, -4>
 look_at <0, 1, -1>
 angle 70 }
union{
 box{
  <-1, 0, -1>, < 1, 1, 1>
   texture{ T_Wood1 } }
 
sphere{
  < 0,1,0>,0.8
   texture{ T_Stone7 }}
 rotate <-10,-30,0>
 }
plane
  { <0,1,0>,-1 pigment{ color White } }
light_source { <-1.5,3,-1.5> color Green}
light_source { < 1.5,3,-1.5> color Blue}
light_source { < 0, 3, 1> color Red}
light_source { < 0,5, 0> color White}
シーンを記述したファイル 生成されてイメージ

シーンファイルの細かいことは,あとで説明する.「25行前後を書けば,かなりのイメージが生成できる」程度が分かればそれでよい.

以下はPOV-Rayの目玉である。

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2.ともかくシーン生成

POV−RAYの起動と3Dイメージの生成


POV−RAYでの3次元CG画像生成法は,

の2段階で行われる.

これを,もう少し,詳細に説明する.
ともかく、POV-RAYを用いて、グラフィックスの生成を行ってみよう。

(1)POV-RAYの起動

POV-RAYの起動:「スタート」−>「POV-Ray for windows v3.5」−>「POV-Rayfor windows」で,POV−RAYが起動する.数秒間次のようなシーンが表示され,ついで,もっとも最近編集したシーンファイルが表示される.
 最初一回のみ,ドキュメントに関するウィンドウが開くが,「OK]とする.また、いくつかのデモが設定されているので、「file」−>「close ALL」により、初期状態に戻す。
最初は,メッセージウインドウと言われる次のウインドウが表示される.

最初に現れる画面 メッセージウインドウ


ここでは,新たなシーンを記述することからはじめよう.

(2)シーン記述

そのために、「file」 -> 「New File 」を選択する.これで,あらたなシーンファイルの編集モードとなる.

新たなシーン入力画面


まず,以下のシーンを記述しよう.大文字と小文字は区別されるので注意する必要がある

#include "colors.inc"
background { color Cyan }
camera {
  location <-1, 3, -3>
  look_at <0, 0, 0>
 }
sphere {
  <0, 0, 0>, 1
  pigment { color Yellow }
 }
light_source { <2, 4, -3> color White}
シーン記述

ここで記述したシーンは,
「空間に,黄色の球と,白い光源と,そしてカメラ」
を設置し,カメラで撮影したイメージである.

入力が終わると,次に生成する画面の大きさを設定する.図のサイズ設定で,とりあえず,512x384にする.
画面の面積と生成時間はほぼ比例する.

サイズ変更ウインドウ


(3)イメージの生成(レィトレーシング)


次いで,Ray-Tracerを起動して,ray-traceによりイメージを生成してみる.POP−RAYでは,イメージを作成する度にシーン記述プログラムをディスクの格納する必要がある.
そこで,「File」 ー>「save as」 で,自分の領域にセーブする.ファイル名はなんでもよい.

注意:POVーRayは,「英語版」のみである.従って,途中のフォルダー名を含み,全て半角英数字を使うことを推奨する

その後,”Run”をクリックするだけで,以下のようなウインドウが現れる.これが,生成イメージである!先に説明した通りのイメージが生成されている.明るい部分と暗い部分のあることに注意しよう!

レンダリングウインドウの表示(生成イメージ)

ここまでに「とりあえず」イメージを生成することができた.
また,イメージ生成と同時に,シーンファイルを格納したフォルダに,生成した画像がビットマップ(BMP)の形式で保存される.

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3.POV−RAYでのシーン記述法

POV−RAYでの記述法


前に段階で,ともかくシーンをすくることができた.
これからは,「自分のシーン」の作成である.

シーンを作成する上で重要なものが,座標である.
まず,POV-RAYでの座標表現を理解しよう.

では,先のシーンを例に,シーン記述の各々のステートメントごとに,各ステートメントの働きや記述法を説明する.
各ステートメントにその文の解説画面がリンクされている.この解説は、POV-RAYのHelpに、手を加えてものである。
各々を理解しよう.

#include "colors.inc"
background { color Cyan }
camera {
  location <0, 2, -3>
  look_at <0, 1, 2>
}

sphere {
  <0, 1, 2>, 2

  pigment { color Yellow }
 }
light_source { <2, 4, -3> color White}

この例では,「球」を表示した.
POV-RAYでは,「目玉」の書いてあったとおり,球(sphere)以外に幾つかの「単純な形状」がある.
sphere, box, cylinder, coneそしてplaneである

 基本形状の記述は,

 <形状名>{
   <幾何情報>
   <アフィン変換>
   <属性情報>
 }


となる.
*幾何情報:その形状決定に必要な数値や座標
*アフィン変換:上記で決定された形状に対する変換

          平行移動,回転,拡大縮小があり,
    translate < x, y, z> // 平行移動
    rotate < x, y, z > // 各軸周りの回転
    scale <x, y, z> // 各軸方向の拡大縮小
  と記述する.
*属性情報:形状の表面または内部構造の属性を記述する
    絵の具で一色に塗るー>pigment
    絵の具でパターンを描くー>pigment
    模様を貼り付ける ー> texture
 

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4.最初の課題

課題演習


以下の順にシーンファイルを作成し、おのおのどのようなイメージが構成されるか確かめてみる。

課題ー1:基本形状の配置
  次に示すシーンを構成することからはじめる.

シーン1:カメラを <0,5,-5>に設置し,<1,1,0>に向ける.
また,y=−1を通り,X-Z平面に平行な白黒チェック模様の平面を配置する.
さらに,<5,5,-5>に白色光源を配置する.

シーン2:シーン1に次の立体を加える.
 原点を中心とした半径1の白球を追加する。
 カメラから見て,手前下稜線の左側端点座標が<1,0,0>,右端点座標が<2,1,1>である青色の立方体

シーン3:シーン2に次を追加する.
 その立方体の上面に,半径0.5長さ0.5の「材木」で出来た円筒を立てる.

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5.課題

課題


第1回目では、「指定された形状をきちんと作成する」ことを行う。

下の画像は、ピンポン玉を3つ配置しものをデジカメで撮影したものである。




これを、真上から見ると



となる。

上のイメージを生成するシーンファイル作成しなさい。
 ただし、3つの球は、互いにぴったりくっ付いているとする。このことを、正確に反映させなさい。
ー>球の中心座標をもとめましょう!

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6 応用課題

演習・宿題 課題


5.課題で作成した3球のイメージに白球を追加しなさい。

 3球にぴったりとくっつくように白球を1つ配置すること。(応用課題とする)


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