*対象物に絵の具で単色を付ける
*対象物に色の繰り返しパターンを付ける
*対象物に模様を貼る
*色々な模様ーパート2
*空と虹の表現



*対象物に絵の具で単色を付ける


対象物の特性として,その対象物の基礎となる「色」を指定する.

色を定義するときは対象物全体が光を当てられている状態で考える。
最初の例からわかるように,球を実際に描くとき、我々は球体の影の部分は暗めに,球体の光があたっている部分には明るめに表示される.しかし
POV-RAYの空間座標内ではそのことを考慮する必要はなく,対象物の基礎となる色を指定するだけであとはPOV-RAYが場面中の照明に応じて部分的に色を暗くしたり明るくしてくれる.
対象物の実際に目に映る色というよりは、対象物の持っている基礎となる色を定義することから,このパラメータは
pigment(絵の具)と呼ばれる。

様々な種類の色の模様をpigmentの記述に使用できる。 colorという単語は対象物の表面全体が、ただ1色であることを定義する。
色を指定するためは
colors.incというファイルを利用することにより,色の種類を名前(例えば,Yellowのように)で指定できる。

      color White

所望の色が標準色の中に存在しない場合は、redgreenblueの3つのキーワードを使い、赤、黄、青の3色の混ぜ合わせる量を調節して新たに色を造ることができる。例として淡いピンクを作りたいときは次のように定義する。

             color red 1.0 green 0.8 blue 0.8

それぞれのキーワードの後に書かれる数値は0.0から1.0の範囲でとられる。3つのうちどれかひとつでも定義しない場合はその要素の数値は0となる。また省略した書き方もできる。次の記述は先ほどと同じ淡いピンクを作っている。

              color rgb < 1.0, 0.8, 0.8 >



*対象物に色の繰り返しパターンを付ける


前回は,単一色だけを使った.色は,rgbを指定するが,colors.incをincludeしておけば,色の名前で指定できる.
さて,色の繰り返しパターンもいろいろと指定できる.ここではは,3種類のパターンを説明する.

次のようなシーンを用いて試してみよう.

#include "colors.inc"
background { color Cyan }
camera {
  location <0, 3, -3>
  look_at <0, 2, 0>
  }
plane {
  <0, 1,0 >,-1
  
pigment
  { checker color Red, color White scale 1}

}
light_source { <2, 4, -3> color White*2}
シーン記述 生成イメージ

勿論,基本形状などの表面に貼ることもできる.


チェック模様
これは,例に示したように,基本的には,2色の正方形をタイル状に並べた模様である.

  pigment { checker color 色1, color 色2 scale 倍率 }

と記述する.ここで,倍率は,正方形の大きさと考えてよい.倍率を小さくすれば,小さい正方形のタイルとなる.


レンガ積み模様
レンガを積んだ模様で,レンガ自体の色と「つなぎ」の色を指定する.

 pigment { brick color 色1, color 色2 scale 倍率 }

と記述する.例えば,以下のようなパターンである.


六角形模様
これは,正6辺形を並べた模様であり

 pigment { hexagon color 色1, color 色2, color 色2 scale 倍率 }

と記述する.例えば,以下のようなパターンである.



*対象物に模様を貼り付ける


対象物の特性として,その対象物の表面に模様(texture)を貼り付ける.
POV−RAYには,様々な模様が用意されている.各々模様を利用する場合は,
#include で,組み込む必要がある.

一般的には,

 texture{ <模様名称> <倍率> }

と指定する.
 種類        記述例             必要なinlcudeファイル
 石の模様 : texture { T_Stone25 scale 4 }      stones.inc
 木目模様 : :texture { T_Wood5 scale 4 }      woods.inc
 金属表面 : :texture { T_Gold_4C }         metals.inc
       金属は, Gold, Silver, Copper, Brass, Chromeであり
       その後, 色合い(数字),光沢具合(A,B,C,D)を付す.
基礎となる「色」を指定する.


木の質感 :  woods.incが必要である.
T_Wood1 から T_Wood35 まである.
 例えば,..

#include "colors.inc"
#include "woods.inc"
background { color Cyan }
camera {
   location <0, 3, -3>
   look_at <0.5, 0.5, 0.5>
   angle 30
  }
box {
  <0, 0,0 >,
  <1,1,1>
  
texture { T_Wood35 scale 0.2}
 }
light_source { <2, 4, -3> color White*2}
シーン記述 木目のテクスチャ

金属の質感 : metals.incが必要である.
一般的には, T_金属名_mn  と記述する.たとえば,T_Gold_4C と書く.
「金属名」は,Gold, Silver, Copper, Brass であり,それぞれ,金,銀.銅,錫の質感を出す.mの部分は,1,2,3,4 で,色合いを表す.また,nの部分は,A,B,C,Dであり,光沢具合を表す.


石の質感 : stones.inc が必要である.
T_Stone1 から T_Stone44 までがある.


ガラスの質感 : glass.inc が必要
ガラスの質感は,色と透明度にある.また,ガラスの場合は,「屈折率」が指定できる(ちなみに,ダイアモンドは2.42, 水が1.33である).この屈折率は,textureの後に,

  interior{ I_Glass ior 屈折率 }

と記述する.次のような質感が用意されている.
T_Glass1 から T_Glass4
T_Old_Glass
T_Winebottle_Glass
T_Beerbottle_Glass
T_Ruby_Glass
T_Green_Glass
T_Dark_Green_Glass
T_Yellow_Glass
T_Orange_Glass
T_Vicksbottle_Glass



色々な模様ーパート2


その他にも,様々な模様がある.以下の名前で利用できる.

 pigment { 模様名 scale 倍率}

と書けばよい.

模様名:agate, bozo, bumps, checker, crackle, dents, granite, gradient, hexagon, leopard, mandel, marble, onion, quilted, ripples, spotted, spiral, radial, waves, wood, wrinkles

例を示す.

agate granite
waves quilted


空と虹の表現


背景として,「空」を作ることができる.

#include "colors.inc"
#include "skies.inc"
camera{
 location <0,5,-3>
 look_at < 0,5,0>  }
light_source { <0,10,0> color White}
plane{ < 0, 1, 0>, -2
 pigment{
  checker color White, color Gray70 scale 0.5} }
sky_sphere {  S_Cloud1 }
シーン記述 生成されたイメージ

S_Cloud1 から S_Cloud5 が用意されている.上のプログラムで試してみよう.

空に,「虹」を架けることもできる.詳しくは,HelpのRainbowを参照のこと.