単純(基本的)な形状


POV−Rayでは,例に用いた球以外にも多くの形状が利用できる。 

sphere(球)オブジェクト

黄色の球を空間に配置する。そのためには,POV-Rayでは,次のように定義する.

sphere {
   <0,1,2>,   // 中心座標
   2        // 球の半径
   pigment { color yellow}
}

最初の座標は球体の中心点を示す。
球体の中心座標の後、コンマで区切ってから球体の半径を指定する。
この例では半径2単位の球体となる。

Box(直方体)オブジェクト

直方体は、よく使われる形状の一つである.例えば,次のように定義する.

box {
   <-0.5, 0.5, 0>,   // 手前の下の角
   < 1, 1.2, 3>     // 奥の上の角
   pigment{ color Red }
}

このように,直方体の2つの対頂角の座標を明示することによって、直方体を定義する.
直方体オブジェクトの各辺は、POV-RAYの座標軸と平行なもののみ定義できるが,それらをいろいろな方向に移動や回転させることができる。この例では,rotate<0,-20,0> により、y軸周りの正の方向に20度回転した形状が得られる.

Cone(円錐台)オブジェクト

円錐台は,各々の端面の中心位置をその半径によって定義する。

cone {
   <0, 1, 0>, 0.3   // 一方の端の中心を半径
   <1, 2, 3>, 1.0   // 他方の端の中心と半径
   pigment{ color Pink }
}

この例では、一方の端面の中心が<0、1、0>で、半径は0.3である。もう一方の端面は、半径1で中心が<1、2、3>である。両端面は、互い平行で、円錐軸に垂直である。
鋭い先端を持つ「円錐」を望むなら、一方の半径を0にすればよい。
もし、端に「ふた」がない円錐にしたいなら、次ぎのようのopenというキーワードを付け加えればよい。

cone {
  <0, 1, 0>, 0.3    // 1端の中心を半径
  <1, 2, 3>, 1.0    // 他端の中心と半径
  open         // 「ふた」を取る
  pigment{ color Blue }
}

Cylinder(円柱)オブジェクト

円柱は,次のように,両端の中心を始めに二つ指定し,その後に,円柱半径を指定する。
両端面は軸と垂直である.

cylinder {
  <0, 1, 0>    // 1端の中心
  <1, 2, 3>    // 他端の中心
  0.5        // 半径
  pigment{ color Blue }
}

Plane(平面)オブジェクト

平面オブジェクトの定義方法を説明する。

plane {
  <0, 1, 0>,    //法線
  -1        //原点からの距離
  pigment { color Green }
}

平面オブジェクトは、無限平面で定義する。
ベクトル<0、1、0>は、平面に垂直なベクトル(法線ベクトル)である。
後のその数は、平面が原点から垂直に移動した距離です。この例では,平面はx-z平面と平行であり,<0,-1,0>を通る.