**変換 [#xcf42b7c]
変換を利用し,図形を移動,回転,スケーリングします.

**基礎となるプログラム [#s90bd6e0]
以下に今回の基礎となるプログラムを示します.軸を描画する部分を別関数(axis)としました.

 void setup()
 {
   size(640, 480, P3D);
 }
 
 void draw()
 {
   background(127, 127, 127);
   camera(100, -100, 100, 0, 0, 0, 0, 1, 0);
   axis(100);
 }
 
 void axis(float l)
 {
   stroke(255, 0, 0);
   line(0, 0, 0, l, 0, 0);
   stroke(0, 255, 0);
   line(0, 0, 0, 0, l, 0);
   stroke(0, 0, 255);
   line(0, 0, 0, 0, 0, l);
 }

これで3D空間は以下のようになります.

#ref(../第1回/changecam.png,50%);

**図形を追加 [#cea44165]
動かす図形を追加します.

図形は,図形を描画する関数(cubeandaxis)を追加します.動かした図形の向きが分かるよう,小さな軸を描くようにしています.

 void draw()
 {
   ...
   cubeandaxis();
 }
 
 void cubeandaxis()
 {
   axis(30);
   stroke(0, 0, 0);
   sphere(20);
 }

#ref(./spherezero.png,50%);

まだ特に変換の命令を書いていませんので,球は原点に置かれ,軸に沿った向きを向いています.

**移動(平行移動) [#e52abf71]
球を上(-Y方向)に移動させてみましょう.

図形を移動させるためには,図形を描画する直前に変換関数,今回は移動(平行移動)関数,translateを使います.

例えば,translate(0, -50, 0);と書けば,「図形をY方向に-50動かせ」ということになります.

 void draw()
 {
   background(127, 127, 127);
   camera(100, -100, 100, 0, 0, 0, 0, 1, 0);
   axis(100);
   translate(0, -50, 0);
   cubeandaxis();
 }

#ref(./sphereymove.png,50%);

**回転 [#rebfbe59]
回転には,任意の軸で回転させるrotate関数,各軸で回転させるrotateX,rotateY,rotateZ関数が用意されています.

以下の例ではY軸(0, 1, 0)を基準に45度回転させています.よって,rotateY(radians(45));と書いても同じ結果が得られます.

 void draw()
 {
   background(127, 127, 127);
   camera(100, -100, 100, 0, 0, 0, 0, 1, 0);
   axis(100);
   rotate(radians(45), 0, 1, 0);
   cubeandaxis();
 }

#ref(./sphereroty45.png,50%);

**スケーリング(拡大縮小) [#da1ab45a]
スケーリングにはscale関数を使用します.以下の例では球をY軸方向のみ2倍します.それ以外の軸は等倍(1倍)です.
 
 void draw()
 {
   background(127, 127, 127);
   camera(100, -100, 100, 0, 0, 0, 0, 1, 0);
   axis(100);
   scale(1,2,1);
   cubeandaxis();
 }

#ref(./scaley2.png,50%);

**pushMatrix,popMatrix [#d0f22e48]
draw関数内では,変換関数が記憶されます.

例えば,以下のように座標(50,0,0),(0,0,50)の二か所に図形を描画したいとします.

#ref(./twospheretrue.png,50%);

以下のようなコードを思い浮かべるかもしれません.

 void draw()
 { 
   background(127, 127, 127);
   camera(100, -100, 100, 0, 0, 0, 0, 1, 0);
   axis(100);
   
   translate(50, 0, 0);
   cubeandaxis();
   translate(0, 0, 50);
   cubeandaxis();
 }

しかし上記のコードを実行すると,以下の結果になります.

#ref(./twospherefalse.png,50%);

1個目の図形を描画するためにtranslate(50, 0, 0);を実行すると,それが記憶されます.

1個目の図形を描画したのち,2個目の図形を描画するため,続けてtranslate(0, 0, 50);を行うと,下図のように,まず,translate(0, 0, 50);「図形をZ方向に50動かせ」が実行され,次に記憶されたtranslate(50, 0, 0);「図形をX方向に50動かせ」も実行されます.そのため2個目の図形は(50,0,50)に描画されることになります.

#ref(./flow01.png,50%);

そこでpushMatrix,popMatrixの出番です.答えから書くと以下のようになります.

 void draw()
 {
   background(127, 127, 127);
   camera(100, -100, 100, 0, 0, 0, 0, 1, 0);
   axis(100);
  
   pushMatrix();
   translate(50, 0, 0);
   cubeandaxis();
   popMatrix();
   translate(0, 0, 50);
   cubeandaxis();
 }

pushMatrix関数は,pushMatrix関数が呼ばれた時点での状態(位置,回転,スケール)を記憶します.popMatrixは先のpushMatrix関数で記憶した状態を復元します.具体的な動作は以下を参照してください.

#ref(./flow02.png,50%);

**課題1 [#gf8a6a9c]
以下のアニメーションを作成しなさい.

-ヒント:まずは1個

#ref(kadai1.wmv);

**課題2 [#l43204f0]
以下のアニメーションを作成しなさい.

-ヒント:小さい球4つは逆方向にまわっていることに注意

#ref(kadai2.wmv);


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