Bird-call Window in Laval Virtual 2011
Bird-call Window (鳥を呼ぶ窓) 出展 2011.4.6〜4.10

Laval Virtual とは欧州最大のVR(Virtual Reality:仮想現実感)展示会であり、 VR関連の研究試作品や製品の展示に加え,Revolutionという作品コンペ部門を持つ ことが特長となっています。
情報メディア学科の師井・中島研合同チームにより制作した 協調対話型アート作品Bird-call Window がこのRevolution部門に入選し, 2011年4月6日〜10日にフランスのラバルで開催された Laval Virtual 2011 にて 展示しました。
Bird-call Window はアニメ世界の鳥達が飛び交う仮想的な世界と 現実を繋ぐ窓を表現する作品です。鳥笛を吹くと、窓下部のカーテン にシルエットパズルの問題が現れ、この問題を皆で解くことが出来ると、 そのシルエットがカラフルな鳥に変身して窓の中に見える仮想世界に 飛び立って行きます。
師井講師がアートディレクタを務め,中島研究室の加島隆博君(修士2年生) が鳥笛認識、小栗奈緒美さん(修士2年生)がパズルの正解判定、増田拓君 (修士1年生)が鳥達のアニメータの開発に参画しました。 展示会では多くの参加者から「ITをうまく活用した詩的で美しい 作品である」との評価を頂きました。

LavalはParisからTGVで1時間40分ほど西に行った人工10万人程度の郊外都市で、Loire州に属します。 古くからリネンの街として知られる14〜15世紀に出来た街ですが、現在はチーズ等の酪農に加え、 周辺に各種工業が発達し、VR関連の企業が周辺地域に集積しているのも特長です。

展示ブースは事前の注文サイズで会期の2日前には準備されていましたが、 展示物の設置は約2日かけて全て自分達で行いました。 設置準備中は度々ブレーカが落ち、本番を大変心配しましたが幸いにも杞憂に終りました。

日本の展示ブースには5日間日替わりで地元大学生がフランス語説明のためのアシスタントとして来てくれました。 「観光(Turism)」を勉強している大学1〜2年の女子学生が多かったようです。 空いた時間に彼女らとフランスと日本両国の話を(英語で)するのが楽しみでもありました。 しかし、日本から参加した3名の学生諸君はアシスタントだけに頼らず、自らも英語と手振りとアシスタントから 教えて貰ったフランス語を駆使して見学者への説明に取り組んでいました。

Bird-call Windowの遊び方:鳥笛を吹く→ シルエットパズルの問題が窓枠下のカフェカーテン上に現れるので、 マグネット吸着の木製のパズルピースを組み合せてシルエットにピタリと当てはめるように皆で頑張る。 →上手く行くとシルエットが鳥の姿に変えながらカーテンの向うの鉄柵に停まる。 →そして、窓の向うに広がるアニメのような仮想世界に羽ばたいて行く。 こうやって呼び出された鳥達はしばらく仮想世界を飛び交い、やがて居なくなるので、 どんどん鳥を呼び、協力してパズルを解いていけば、皆でカラフルな世界を楽しめる。

本展示会と並行して仮想現実感国際会議(VRIC: Virtual Reality International Conference)が開催され、 その中のRevolutionセッションにおいて、入選作品の中から更にセレクトされたものが幾つか紹介されました。 光栄にも Bird-call Window もここで紹介の機会を与えられました。

Laval Virtual における他の展示物としては、同じRevolution部門でSense-Roid, The Interactive Tops, Hinoko, Ether Synthesizer, Key Hole?, CartooNect, Sound Forest, Biri Biri などが、 そして、それ以外では多数の 3DCGシミュレータに加え、 Disney の磁気駆動式目玉や赤外線センサーを使った床上タッチパネルなどがありました。 MicrosoftのKinectセンサーを利用したアプリケーションが15件近くあったのが今回の大きな特長でしょう。


見学者への連日の説明の疲れを癒すのは、勿論、美味しい食事です。 味覚の発達したフランスだけに、何を食べても間違いがありません。山海の珍味も良いですが、 ガレット(galette:蕎麦粉入りのクレープ)やキッシュ(Quiche:パイ生地やタルト生地の料理)も美味しかったです。