推奨機 (生協で購入した IBM ThinkPad X30) で CD を用いて Vine Linux をインストールを行う方法を説明する。
なお、ここでは初期状態 (買ったばかりの状態) の推奨機種に Vine Linux 2.6r1 をインストールするときの手順を示している。 個人の設定によってはこれと若干異なるメッセージが表示される場合があるが、 基本的にはここで示すような設定でインストールを行ってほしい。
BIOS の設定変更
Linux のコンソール画面の表示を正しく行うために、画面拡大の機能をオフにしておく。
具体的にはまず、 PC を再起動し「 IBM 」の起動画面が表示されたところで F1 キーを押し BIOS の設定画面を表示させる。Config → Display → HV Expansion を Off に設定する。Esc を 2 回押し、 Restart → Exit Saving Changes を選択し、 Confirm に対し Yes を選択する。
Vine Linux インストール CD からの起動
いったん PC の電源を OFF にする。フロッピディスクドライブと CD ドライブを接続しておく。また、それ以外の機器、例えば外付けのマウス等は接続しないでおく。
Vine Linux 2.6r1 の CD をドライブにセットし、CD から起動する。 CD から起動するには、「IBM」の起動画面が表示されたところで素早く F12 キーを押す。すると起動デバイスの選択画面となるので、 CD を選択する。
上図のような画面が表示されたら Enter キーを押し、 インストーラを起動する。
上図のような画面が表示されインストールのための設定を行っていく。上下の矢印キーでJapaneseを指定し、 Tab キーで OK を選択し、Enter キーを押す。
通常の日本語配列のキーボードの場合次のように設定し、 画面右下のボタン「次」を押す。
Linux では X Window System という GUI を使用する。 X でのマウス等のポインティングデバイスの設定を行う。 推奨機種では次のように設定する。
上図のような画面が表示され、さらにインストールのための設定を行っていく。
インストール方法として、新規でインストールするか、すでにインストール済みの旧版の Vine Linux をアップグレードするか等の選択を行う。
ここでは、 インストール → すべてを選択する。
推奨機にはあらかじめ Linux 用のパーティションが用意されているので、インストーラが自動的にパーティション設定を行う を選択する。
パーティションをどのように使用するかを設定する。ここでは すべてのパーティションを保持し、既存の空き領域を使用 を選択する。
パーティションをどのように使用するかをさらに設定する。
Linux で用いるファイルシステムは、主に「ext3」と「swap」の2種類である。 ext3は通常のファイルを格納するために用い、 swapは仮想メモリと呼ばれるディスクの一部を主記憶領域 (メモリ) として使う仕組みで用いる一時的な記憶領域である。
Linux では Windows のようにドライブという概念はなく、 全てのファイルを一つの階層構造の中で扱う。 パーティションを階層構造の一部に組み込み、 利用できるようにすることを「マウント」と呼ぶ。 「マウントポイント」とは、パーティションと階層の対応づけを示したものである。 また、階層構造の最上位を「 / (ルート) 」と呼ぶ。
現在の設定では swap 領域が 192MB でその後ろの領域が余った状態である。よって swap を拡大しておく。
具体的には、パーティションの一覧表から タイプが「swap」となっているところを選択し、 ボタン「編集」を押す。
次に現れたダイアログに対し「可能な最大容量まで拡大」を選択し OK を押す。他の項目はそのままでよい。
途中、「警告: ブートパーティション/はこのアーキテクチャではブートに適していません。」というメッセージが表示されることがある。 が、これは Vine Linux 2.6r1 では特にブートの問題はないので 「とにかく追加」を押す。
設定が完了しボタン「次」を押す前に、 パーティションの設定が次のようになっていることを確認しておく。
PC の電源を入れたときに、 ディスクから OS を読み込み動作させるソフトウェアを「ブートローダ」と呼ぶ。 ここでは、Linux 用のブートローダ「LILO」を用い Linux を起動する設定を行う。 なお、 Windows と Linux の起動選択は Windows 側のブートローダ (NTLDR) で行う。
具体的には次のように設定する。
ネットワークインタフェースの IP アドレス等に設定を行う。
実験室や学内の情報コンセントには、 DHCP と呼ばれるネットワークに関する設定を 自動的に行う仕組みが備わっているので、 「DHCPを使用して設定」と 「起動時にアクティブにする」を選択する。
「Japanese」を選択する (通常はすでに選択された状態のはず) 。
タブ「場所」の「アジア/東京」を選択する。
Linux では、 コンピュータを管理するための特別な権限を持つユーザを「root (ルート) 」と呼ぶ。 これは Windows での Administrator に相当する。また、 root を「スーパユーザ」と呼び、 一般ユーザと区別する。 ここでは root のパスワードを設定する。
画面上部の「root のパスワード」と「確認」にパスワードを入力する。 入力欄下に「root パスワード確定」と表示されれば正しくパスワードが設定される。
なお、「このシステムに追加する他のユーザのアカウント」はここでは作成せず、 後に行う。
「GNOME」と「NotePC」の双方を選択する。
Linux では X Window System という GUI システムを使用する。 X の設定のためにビデオカードを指定する。
ほとんどの場合、ビデオカードは自動的に選択される。
推奨機種では「Intel 830」が自動的に検出される。
インストールの準備が完了した。
インストールが行われる。これには 20 分程度要する。
トラブル等で内蔵のディスクから Linux が起動しなくなった場合に用いる緊急用起動ディスクを作成する。
フォーマット済のフロッピディスク 1 枚を用意し、指示に従いディスクを作成する。
この PC のモニタ (ディスプレイ) を選択する。
推奨機種を含め、通常の XGA (1024ドット×768ドットの表示画面) のノート PC の場合は、 「汎用」→「Generic
Laptop Display Panel 1024x768」を選択する。
X における表示色数と解像度の設定を行う。
ここでは「色深度」を「True Color」に、 「画面の解像度」を「1024x768」に設定する。
また「ログインの種類」を「グラフィカル」に設定する。
ボタン「設定のテスト」を押し X Window System が動作するか確認しておく。 うまく動かない場合、「色深度」や「画面の解像度」を変更してみると良い。
インストールが完了した。再起動しよう。
その際に、インストールに用いた CD やフロッピディスクは取り出しておこう。
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